「それじゃあ、気を付けて帰れよ」 「せ、先生っ!」 背中を向け、去ろうとする先生に思わず呼びかけてしまった。 「ん?」 「あのっ…… 今度また、数学教えてくださいっ」 「……了解」 顔だけ振り向いて、手を親指を立てたポーズを向けた。 あたし… この約束だけで、まだまだ頑張れそうだ。