小悪魔な彼

 
「せ……」
「あんな奴と付き合うと、大変だぞー?
 女の敵がいっぱいいて……」
「つ、付き合ってなんかないです!」


さっきよりも、強く否定してしまった。

あまりの気迫に、先生もきょとんとしている。


「ご、ごめんなさい……」


でも……先生にだけは誤解されたくないもん。

あたしが峰岸くんを好きだなんて……。



「いや。俺もデリカシーなさすぎた」


先生はあたしの頭をポンと軽くたたくと、またにこっと笑った。