「それで問い詰めてみたら、二股してたんだよ！
ありえないと思わない？」
「そうだね……」
葵ちゃんから話された会話は、元彼の話だった。
どうやら、自分が知らない間に二股をされていたらしい。
「あたしってば、どうも昔から男を見る目がないんだよね」
「そうなんだ？」
「そー。今までもろくな男いなかったし……。
あ、だけど、颯太くんは香澄ちゃんと付き合ってるくらいだし、いい人そうだよね」
「え？あ……まあ…」
忘れかけたころに、振り出しに戻される感情。
それを言われたところで、どんな反応をしたらいいのか分からない。
