小悪魔な彼

 
「お前にあんなガキは似合わねぇよ。
 俺んとこ来い」

「…っ」


初めて見る、猛にぃの切なげな瞳。


いつも強引で、人を小ばかにして…
あたしを見下しているようにしか見えなかった。


それなのに、急にこんな告白なんて……



「……無理だよっ!!」


「香澄っ!!」



あたしは猛にぃの体を押して、その場から駆けた。