「乗れる?それとも抱っこして乗せてあげようか?」 「大丈夫です!」 子ども扱いをする猛にぃに苛立ちを感じ、あたしは制服だというのに大胆にまたがった。 「ひゅー!」 「み、見ないで!!」 「もう遅いもんねー」 「……」 にやっと笑って、自分のヘルメットをかぶる。 やっぱりこの人は苦手だ。 エンジンをつけて、ブルンと大きな音が鳴る。 そして…… 「きゃ、きゃー!!」 人生初の、バイクが発進した。