小悪魔な彼

 
「天然すぎるんですよ。香澄は」
「……」


颯太は軽くため息を吐くと、そのまま立ち上がった。

窓辺に行って、カーテンを開けようとしている。


確かにあたしは鈍感だ。
恋愛経験もないし、男の人の気持ちなんて全然分からない。


だけど……



「……もう……理解してるよ……」



今この状況が、何をもたらすのか分かってる。