小悪魔な彼

 
あれ…?
あたし何か変なこと言った?


「……香澄、意味分かってます?」
「何が?」
「……いえ。なんでもないです。やりましょうか」


何か言いたげな颯太。
だけどあたしにはその意味が理解できず、きょとんしたまま見上げていた。

颯太は立ち上がると、カーテンを閉めて部屋を暗くする。


「これでいいんですよね?」
「うん!それがいい」


そして、さっき選んだ、邦画の映画を上映させた。


「これ、ドラマから好きなんだ」
「面白かったですよね」


見たことあるやつだったけど、何度見ても面白い。

あたしはワクワクしながらテレビにくぎ付けになった。

 
映画館と違って、多少の雑談や反応もしたりした。

だけど途中で気が付いた。


……確かこのあと、キスシーンとかあるんじゃなかったっけ……。


それに気が付くと、急にドキドキとしてきた。