小悪魔な彼

 
それから、この街で見れるイルミネーションを少しだけ見て回った。

もっとたくさん見たかったけど、制服のままのあたしたち。
あまり遅い時間までいると、面倒なことになる。

なので、帰りの電車に乗り込んだ。


最寄りの駅はバラバラ。
あたしの駅に着くと、颯太も一緒に降りて少しだけ話をしていた。


「イブの日……
 一度家に帰って、私服で来ません?」

「え?」

「その……
 できれば、ギリギリまで一緒にいたいですし」


少しだけ照れて、目を泳がせる颯太。
時々、こうやって照れる姿が、いつもの小悪魔ぶりとギャップがあっていい。