小悪魔な彼

 
「あ、メガネっ!」


気が付くと、カフェに2時間近くいたあたしたち。

30分くらいでメガネはできると言っていたのに、時間はあっという間だ。


「早く行かないと、メガネ屋さん、閉まっちゃいますね」
「いそご!」


あたしたちは、慌ててカフェを出ると、メガネ屋さんに戻った。



「すみません、先ほどの峰岸です」


お店はまだやっていて、注文用紙を渡すと、店員さんがさっきのメガネを持ってきた。


「ご確認をお願いします」


そう言われて、再びメガネをかける颯太。


やっぱりカッコいい……。

あたりを見渡して、付け心地と度数を確認している颯太の横で、あたしは見とれるようにじっと見ていた。


「大丈夫です」
「メガネはかけていきますか?それともおつつみしますか?」
「つつんで………いや、やっぱかけていきます」
「かしこまりました」


予想外の返し。

あたしは、颯太がメガネをかけると言ったことに、目を丸くさせていた。