小悪魔な彼

「歩ける?」
「それくらいは……」


視力検査のため、颯太はコンタクトを外した。

颯太の視力は、本当に弱いらしく、1mくらいの距離にいるあたしの顔でさえもぼやけて見えてしまうらしい。


だから、薄型レンズにするためには、それなりの金額がかかるとか。
 


視力検査と目の検査も終わり、メガネは30分くらいでできるとのこと。

その間、近くのカフェに入ってお茶をした。


「そういえば、テストどうでした?」
「ばっちりだよ!あんなにできたのは初めてなくらい」
「それはよかったです。
 まあ、俺としては、香澄が留年して、同学年になるのも嬉しいんですけどね」
「怖いこと言わないでよ」


たしかに、颯太と同じ学年というのも悪くない。

だからといって、高校で留年をするわけにもいかない。