小悪魔な彼

 
「こういうのが好きなんですね」
「いやー……はは」


バレたのが恥ずかしくて、思わず目線を逸らす。

その間にも、颯太はそのメガネを着用し、髪を整えるとあたしへと向きを変えた。



「!!!」



その姿が、あまりにもカッコよすぎて、あたしは言葉を失った。


「何か言ってください」
「あ……うんっ……いいと…思います…」


思わず敬語になってしまう。

メガネをかけた颯太の姿が、いっきにあたしよりも年上に感じて、大人の男を感じてしまったからだ。


「なんとなく、香澄がこういうメガネが好きな理由が分かりました」
「え?」



「大人に見えます?」

「…っ」



急に距離を縮めて、メガネをずらしあたしを見つめる。


ダメだっ…
きっとこの姿で迫られたら、あたしは何も逆らえなくなる。