小悪魔な彼


「あれあれー?
 なんか香澄の棘、抜けてない?」


颯太とあたしの様子を見て、すかさず朱里が突っ込みに来た。


あたし的には、バレないように普通にしているつもりなんだけど……


「分かります?
 ついに俺、本格的な彼氏へと昇進したんです」

「ちょっ、いちいち言わないでよっ」

「きゃー!颯太くん、おめでとー!!」


後ろから、あたしの首に巻きつくように朱里に報告する颯太。

恥ずかしさのあまり、くっつく颯太を突き放した。