小悪魔な彼

 
「はい、開始ー!」


テストの日は、逃げたくても勝手にきた。

先生の合図とともに、裏返しにしていた問題用紙を返す。


いつもなら、すぐに詰まっていた答案。

だけど……


あ…イケる……。


今回はだいぶ勉強したこともあり、いつもよりもかなりスラスラと書けた。


やっぱり、颯太と一緒にいっぱい勉強したからな。

この間の土日も、待ち合わせて図書館で勉強した。
カフェでお茶して息抜きをしながら、適度に勉強。

いつも一夜漬けしかしないあたしとは、大違いだ。



一日目はもちろん、二日目、三日目となんなく終了。


そしてついに……




「迎えに来ましたよ」

「……ありがと」



テスト最終日が終了し、颯太が教室へ迎えに来た。