「なんか、すげぇ夢みたい……」


あたしを抱きしめながら、夢見心地のセリフを言う颯太。

あたしの心臓も、まだドキドキといっていて、身動きが取れず颯太に抱きしめられたまま。


「香澄先輩に、好きって言われることが、こんなにも嬉しいなんて思わなかった」

「……」


いちいち、それをリピートしないでほしい。

あたしにとって、人生初の告白だ。


「先輩、今照れてます?」
「う、うるさいっ」


あたしをからかうように、少しおちゃらけた口調で聞いてきた。

なんだか負けた気分ですごく悔しい。


しかも……


「……先輩に戻ってる……」


そう呼ばれると、なんだか学年のくくりが出来てしまうようで嫌だ。