「香澄先輩っ!」
「……やほ」


次の日は、あたしが颯太を迎えに行った。


いつもは比較的あたしのほうがHRが終わるのが遅くて、颯太が迎えに来る。
先に終わったとしても、待っていることのほうが多かったけど、なんとなく今日は迎えに来たくなった。


「嬉しいです。
 先輩が俺の教室に来てくれるなんて」

「……待ちくたびれたからだよ」

「すみません」


あたしの皮肉な言葉でさえも、笑顔で答える。

なんだかあたしが今照れていることも、見透かされていそうだ。