「それじゃあ、今日もありがとうございました」 「いえいえー」 「あ、それと!」 あたかも、今思い出したかのように声を発する。 だけど本当は、今日の目的は勉強を教えてもらうことよりも、こっちのほうが本題だ。 「ご結婚、おめでとうございました!」 にっこりと笑って、心からの祝福の言葉を投げかけた。 先生は、一瞬きょとんとすると…… 「さんきゅ」 と、微笑み返してくれた。