小悪魔な彼

 
「ありがとね。

 あたしの傍にいてくれて」



今このタイミングで、それを言うのはおかしいかもしれない。

だけど三浦先生に失恋したとき、傍にいて、励まされたのは事実だから…。



「……ずるいですよ」

「え?」



顔を上げる颯太。

あたしを見つめる颯太は、また完全な男の目をしていた。



「そんな可愛いこと言うのは………反則です」

「んっ……」



そして気が付けばあたしは、再び颯太に唇を奪われていた。