「俺は、峰岸颯太。
 1年です」

「え!年下?!」

「はい。
 雪本香澄、先輩」

「な、なんで…あたしの名前知ってんの?」

「さて、なんででしょう?」


にこにこと笑う峰岸くん。

予想外のことすぎて、若干怖い。



「それじゃあ、今日からよろしくお願いします。
 香澄先輩」

「……よろしく…」



そしてこの日から、あたしの悪夢の日々が始まった。



峰岸くんが、せめて先輩ならよかった。

たった一つでも、あたしより年上ならよかった。


そうすれば、ちょっとだけでも、峰岸くんの見方が変わったかもしれないのに……。



付き合うなら絶対に年上!

そう思っているあたしに、
どんなに美形でも、最初から峰岸くんは恋愛対象外だった。