いつのまにか泣き止んでいる明美の横で、男は淡々と話しはじめた。

「辻井さん、あなたを試させて頂きました。残念です。あなたがここまで愚かな人間だとは思いませんでしたよ。」

「・・・・んぐっ、ご、後藤、き、、さま!」

「X」の正体はあの後藤だった。明美ちゃんと付き合っている同僚の後藤。
今置かれている現状が理解できない。
後藤は話を続けた。

「辻井さん、あなたは明美に好意を抱いていますよね?普段の態度を見れば分かります。・・・実はあなたが原因で、俺たち最近別れたんです。
明美もあなたに好意をよせていたんですよ。で、あなたが明美にふさわしい人間かどうかゲームを通して試させて頂きました。」


言っている意味がわからない。
明美ちゃんが俺の事を好き?別れた?俺を試す?明美ちゃんもグルだったのか?
頭が真っ白になった。

「ふふ、混乱してるようですね。無理もない。いきなり背中を刺されたんですから。・・・こうなったのは必然なのです。
辻井さん、、あなたは6つの大きなミスを犯しました。」

6つのミス?
俺はひとつもミスなんか犯していない。現にここまでこれたじゃないか。
俺が真の勇者のはずだ。

「わかっていないようですね。では私が教えてあげましょう。」