「宝さがしぃ~?」

ニイちゃんが馬鹿丸だしの声で「X」に噛みつく。

「まずゲームを始める前にせっかくですから、勇者さま同士、よろしければ自己紹介などいかがでしょうか。」

「・・・・・・」

沈黙に耐えかねた薫は自分から言う事にした。

「じゃあ俺から。えー辻井薫です、よろしく。」

失敗した。これから生きるか死ぬかのゲームをするのに、よろしくはなかったな。
ひとりでニヤついている薫の右隣が。

「斎藤健吾と言います。会社を経営しております。」

やっぱりか、どこぞのボンボンだ。
それ以上、明美ちゃんに近づくな。

「どうも、遠山明美です。」

「え、なに。私?・・・麗子よ。麗子。如月れ、い、こ。」

キサラギレイコ?源氏名の臭いがプンプンする。

「ちす、白旗っす。シラハタね。白旗博。ドカタやってやす。えと、趣味は酒で、好きな食べ物は紅しょうがっす。白旗先輩とでも読んでくれ。」

何いってんだ。こいつ。関わらないほうがよさそうだ。

それにしても、ろくでもないヤツが集まったもんだ。


「終わったようですね、では「宝探し」のルールを説明します。」