あたし達はお互い必要とし合い、絆とかそんなものじゃ言い表せないなにかで繋がっている。
須藤愁(18)兄
須藤心(18)妹
同じ日 同じ場所 同じ時間 同じ母親からこの世に産まれてもう18年の時が流れる。
今季節は冬。
春には2人共同じ専門学校へと進学が決まっている為学校へ登校する日々も徐々に減ってきた時。
「寒いな・・・ここ平気?」
「大丈夫、平気」
「タイツくらい履けよー・・・棒みてえな脚が可哀そうだよ」
「寒くないから大丈夫だってば。愁もマフラーくらいしたら?」
「大丈夫、平気」
「ここと同じじゃない」
2日ぶりの授業を終え校舎から出たと同時に2人きりで笑い合う。
通っている高校からほど近い駅前は住んでいる地域の中でも栄えている方。
高校へ登校するときも、下校するときも、買い物に来たときも必ずこの駅前を利用する。
今日も駅前から出ているバスに乗る為2人で向かっているところだ。
「ね、愁。欲しいバングルがあるの」
「ハワイアンジュエリーの店?」
「そう。よく分かったね?」
「ピンクゴールドのやつでしょ。俺はその色違いが欲しかったんだ」
「じゃあ・・・ここが愁のを、愁がここに買うってどう?」
「決まり!」