「タクヤ先輩…昔から美雨が好きだったんだよ」

え…
中学の時はタクヤを見た事すらなかった

「ダイキくんもその事を知ってた…だから、ダイキくんは身を引こうとしたの…でもタクヤ先輩はそれを止めた…美雨を笑顔に出来るのは自分じゃないって思ったから…」

頭が混乱してきた…

「美雨がつけてるそのネックレス…ダイキくんがタクヤ先輩に相談して,タクヤ先輩が選んだネックレスなんだよ」

え…

私はギュッと
ネックレスを握った

このネックレスは
タクヤが選んだの…?

「で、タクヤ先輩の目の前でダイキくんは車に跳ねられた…一緒に救急車に乗ったのもタクヤ先輩…病院の人に美雨に連絡をしてほしいって言ったのもタクヤ先輩…タクヤ先輩はダイキくんの命が危ないって医者に告げられていたから…」

タクヤが…?

やばい…涙が止まらない

タクヤは何も言ってくれなかった

「美雨が病室に入って,ダイキくんと話している時ダイキくんが亡くなった瞬間…美雨が泣き崩れていた時…タクヤ先輩はずっと病室の外で聞いてたんだよ…」

うそ…
全然気付かなかった…

「美雨がくる前,タクヤ先輩はダイキくんに言われたの。美雨を守ってほしいって…」

う…
ダイキ…

「その後美雨がタクヤ先輩と同じ高校に入学して,変わり果てた美雨を見てタクヤ先輩は驚いたと思う…美雨がタクヤ先輩の事を知らないのは知ってたから,タクヤ先輩は美雨に近づいた。」

「性格もまったく変わっていて,タクヤ先輩自身も辛かったと思う…で、気付いたんだよ…自分はやっぱり美雨を笑顔にできないって…四年間も見てたんだから美雨の変化なんて分かるよね…?だから、わかったんじゃない?美雨が人を愛した事に…」

「だから美雨…美雨は絶対に幸せにならないとだめ!ダイキくんの分も,タクヤ先輩の想いを無駄にしちゃダメだよ?」

『うん!私、絶対に幸せになるよ!』

タクヤ…
ありがとう

やっぱり、タクヤには
感謝でいっぱいだよ

『今日…きっちり片付けるから…その後に雫に会いにいくょ』