テレ彼ッ!

時刻は午後の8:40。
さて、そろそろかな?


『通話、平気?』
『うん!』
『かけるね。』
『あーね♪』


プルルップルルッ

ピッ


『もっし~?』
『出た。』
『うん。』
『……………。』
『…?』


あれ?
なんで黙っちゃうの?


『あのさ…』
『うん?』
『りっくさんとどんなことしてた?』


ビクッ


いつかは聞かれると思ってたけど…


「美姫~」
「ぅわっ!?」
「美姫、お風呂は?」
「もう入ったよ。ってか、今通話中。
 静かにしててよ、ユイ!」


ユイはあたしの妹。
小学3年生で少し小太りですww


「あっそ。」
「あっそってなんだよ#」
「………。」
「無視かいな!!」
『もしもし?ごめんね、海渡。』
『いや?…あ、ねぇ。』
『ん?』
『ユイにかわって?』


…………は?


あたしは渋々、海渡の言うことを聞き、
ユイにケータイを渡す。


「なに?」
「海渡。」
「もしもし?」
『ユイ~?』
「なに?」
『美姫の元彼のこと教えて?』
「え~と、そうだな。
 学校ですれちがっただけでりっく
 りっくって煩くて、よく
 デートしてて…………。」
『へー。』
「うっわぁ~!!!!!」
『「なに?」』
「もう、やめましょう!」
『ダメ。』
「ほらほら、ケータイ返して。」
『美姫?ダメ。ちゃんと聞かせて。』


これ以上、聞かないで。
思い出しそうなの。


「……………。」
『美姫?』
「……勝手にすれば?」


あたしはそう言ってユイにケータイを
投げ付ける。


「もしもし?」
『はい、続き。』
「うん。それで…………。」
『そか。』
「あと、…………。」


あ、もうダメ……。


「……なんで美姫、泣いてるの?」
『え?』
「美姫が泣いてるの。」
『……ユイ、美姫にかわって?』


ユイはあたしにケータイを返す。


『なに?』
『ごめん。』
『なにが?』
『いや、聞きすぎたなって。』
『……………。』
「美姫、平気?」
『ユイ、静かにしてて?
 美姫と真剣な話してるから。』


海渡がそう言うとユイは静かになった。


『ホント、ごめん。』
『……別に。』
『マジ、ごめん。』
『もういいよ……。』
『俺がよくない。ごめん。』
『もう、へーきだから。』
『ごめん。俺といるより、
 りっくさんといるほうが
 楽しいもんな。俺でごめん。』
『……は?』
『だって、りっくさんのこと
 思いだして泣いてるんでしょ?』
『違うし。』
『そうだ。』


なに、確信してんの。
意味不。


『違うから。』
『じゃ、なんで泣いてんの?』
『………………。』
『ほら、言えない。そうなんだって。
 まだ美姫はりっくさんのこと
 好きなんだって。』
『好きじゃないから。』
『意地張んないで言えば?』
『ホントに好きじゃないって!!』
『じゃ、なんで泣くの?』
『…………………。』
『ほら、答えられないってことは
 そうなんだって。』
『違うし!』
『違くないね。』


今日の海渡、嫌い。
うざい、しつこい、なんなの?


『ごめん。』
『……………意味わかんないし。』
『ごめん。』
『もう、いいよ。』
『……ごめん。今日はもう終わろ?』
『うん。』
『じゃ、朝よろしく。』
『うん。』
『おやすみ。』
『おやすみ。』


………うん。
今日はあたしも海渡も
疲れてたんだよ。