ゾクッとなにか感じた。


いったい何が……。
何かが反応している。


「美姫……?」


直感的にそう思った。
フッと海の香りがした…。


俺は弾かれるように授業を飛び出して
美姫がいるであろうところ………
海へ向かった。





~***~***~***~***~***~

俺は美姫と8年も一緒にいる。
そして、美姫がたてたバンドの
ギター担当。


「好き。」
どんなに近くても絶対に言えない
この一言。
だから、俺は美姫の1番の
相談相手として。
美姫の1番の親しい人として
近くにいることにした。


色んな人と付き合う美姫から
目を背けたくなったときもあった。
あまりにも悲惨な過去に
同情しそうになったときもあった。

けど、どんな時でも美姫を
支えられるヤツであった。


お願いだから………。
俺にもその偽りの「好き」をくれ…。