テレ彼ッ!

「まずはこの体制を直そうか!」
「…だねw」


りっくはあたしを抱き抱えた。
そのまま後ろに倒れるりっく。


…………ん?
なんか変だぞ?


「これでいいでしょ♪」
「……いや、逆になっただけでしょ?」
「うん。ダメ?」
「だ~め。」
「え~。じゃさ、1つお願い聞いて?」
「なに?」
「この体制のまま、腰動かして?
 出来れば脱い……ゴフッ」


あたしは思いっ切り鳩尾に
グーパンを入れたのだ。


「グーパンは…グーパンは…ないぞ。」
「えへへっ★」
「なんか…さっきのグーパン…
 殺意が……あったよう…な。」
「てへぺろ★」
「お前っ!」
「はぁ…。」


あたしは溜め息をつきながら
りっくの上から退く。
瞬間、りっくの雰囲気が変わった。


「あのね…」
「待って。」
「ん?」
「別れ話とかは…なしだから。」
「…………………。」
「マジ?」
「……………………ね。」


あたしは小声でそう言った。


「なんて?」
「な~てね♪」


さっきの陸渡の顔が忘れられない。
あんな…悲しそうな顔されたら…


「あのね、水族館行きたい!」
「また?」
「ダメかな?」
「ふ…。いいよ、準備するから
 少し待ってな?」
「は~い♪」
「うん、よしよし。」


りっくはあたしの頭を撫で、
着替えを始める。

あたしはその間にりっくとの別れ方の
シナリオを作る。


「ごめん……」
「ん?なんか言った?」
「なんにも?」
「そぉか~?」
「うん。」
「そか。」
「どしたのww あ、終わった?」
「おぉ、終わったよ。」
「よし♪行こ行こ~!」
「はいはい。」