俺の家が、離婚してから二年後、母さんが新しい人と再婚。
その再婚で、俺の名字が春日になってから一週間。
「春樹、一緒に花火しない?」
「しない」
「そ、即答?!」
「受験生ですから」
「えー……」
俺の横で頬を含ませている女は、再婚相手の娘、夏目。
155あるかどうかの身長に、大きな目が目立つ童顔。
最初会った瞬間同い年かと思ったが、どうやら俺のいっこ上。
「ねぇーしようよー。はーるーきぃーー」
まぁ、映画館とか行ったら、もしかしたら中学生でも通るんじゃ、なんて思ってたりもする。
絶対本人には言わないけど。
「はーるーきぃー」
子犬のような声と表情に、俺は完敗。