「ありがと、悠」 あたしは悠に掛けてもらったマフラーを、 大切そうに手で包みこんだ。 「お~い、2人とも。 俺らがいる事、忘れてねーよな?」 「はぁー……、忘れてるね、完全に」 そう、ため息まじりに言ったのは、 幼なじみの竹田 一輝と相田 真奈美。 「忘れてないってば!!」 「へー、どうかな~」 「一輝、ひどっ」 あたしたちはそう言いながら、ただ笑った。