【完】嫌いになんてなれないよ。

私は教室の壁に背中を預け、しばらく外を眺めていた。




…あの言葉を聞くまでは。





「俺さ、藤堂さん好きなんだよね」




……っ!?



え……斎藤が私を?




まさか私の名前が出てくるなんて思わなくて、私は2人の会話に耳をすませる。




「……ふーん?」




品川は相変わらずの仏頂面でそう言った。