【完】嫌いになんてなれないよ。

「妃南……?」




「し…品川は、私が嫌いなんじゃないの?」




「え? 嫌い?」




突然そんなことを言う妃南に、俺は眉をひそめる。





少し考えると、その言葉の意味が分かった。




「お前……まさか聞いてた?」




俺が聞くと、妃南は一瞬ビクッと体を震わせた。




妃南の席にマフラーが置いてあったあの日…あの会話を、妃南が聞いてたのか?