【完】嫌いになんてなれないよ。

意を決して図書室から出ようとすると──




「うお……っ」



「わ……っ!?」




走ってきた奴に、ぶつかってしまった。




相手が倒れそうになるから、俺は咄嗟に抱き抱える。




「………っと」




「あ…あの、すみません…っ!」




そう言って顔を上げた相手を見て、俺は固まった。




「………妃南?」




「し、品川………」




相手が、妃南だったから。