【完】嫌いになんてなれないよ。

「いや…実はさ……」




教室には品川と斎藤の2人だけ。




なにやら真剣な雰囲気だ。



こんな状況のなか、

「忘れ物しちゃったー!」


…なんて入っていくほどの勇気は持ち合わせていない。




仕方ないから、私はその場で話が終わるのを待つことにした。




──この時さっさとマフラーをとって帰っていれば、あの話を聞かずに済んだのに。