【完】嫌いになんてなれないよ。

「え…と、そんなことないけど…」




普段男子と喋らないから、やっぱり目を合わせるのは緊張する。




「じゃあ、上がらせてよ。俺、藤堂さんの看病したい」




「か…看病?」




またも真剣な顔で言われ、私は戸惑ってしまう。




「俺、こう見えて料理だけはできるんだ。お粥でも作るよ」



お粥……



そういえば、朝からなにも食べてない気がする。




「あの…じゃあ、お願いします…」




私は空腹と斎藤の真剣さに負け、斎藤を家にあげることにしたのだった…。