【完】嫌いになんてなれないよ。

私は不思議に思いながらも、斎藤を家まで案内した。



「ここ、私の家だよ」



私がそう言って立ち止まると、斎藤は驚いた顔で




「え、マジ? 俺の家、すぐそこなんだけど!」




と、向かい側の家を指差した。





「え? そうだったんだ…」



もう目の前じゃん。



気づかなかったなぁ…。




「あ…送ってくれてありがとう」




「あぁ、いいよ。俺が勝手に着いてきただけだし」