【完】嫌いになんてなれないよ。

ふと妃南の席を見ると、淡いピンク色のマフラーが置いてあるのが目に入った。




「これ…俺があげたやつ」



そのマフラーは、俺が去年の冬に妃南にあげた物だった。




まだ使ってたのか…。




このマフラーあげた時、普段めったに笑わない妃南が



『……ありがとう、品川』


そう言って笑ってくれたんだ。





普段笑わない奴の笑顔は可愛い、って言うけど、妃南の笑顔は本当に可愛かった。