誘惑HONEY



「……ぁっ」


ナオの口から漏れた甘い声で我に返れば…


「……っ!!」


その状況に思わず絶句。


リビングのソファーの上。

頬を蒸気させて熱っぽい眼差しで見上げるナオと、そこに覆い被さる俺。


捲れ上がった服と、露になった肌に浮かび上がる紅の…って!


……俺ってば、何やっちゃってるんだよ。

完全に流されてるじゃん…もうっ。


急いで乱れた服を整えてやって、横たわった体を引っ張り上げた。


「…えっ?もう終わり?」


そんな俺に、不服そうに口を尖らせるナオ。

このハレンチ娘がっ。


「えーっ?なんで?ここからがいいところでしょ?」


無邪気に、とんでもないことを叫んでくれちゃって。


「いいから、飯!冷めるだろ。」

「温めれば大丈夫だよぉ。だから、続き…」

「俺は腹減ってるの。」

「私だって!ずっと“おあずけ”してたんだよ?」


……はぁっ?


「龍ちゃん、学校で言ったじゃん。
“帰ったら、好きなだけしてやる”って!」



……もう、ヤダ。

誰か止めてくれ。