(side:アルバート)

「全く・・・何で毎回、迷子になるんだかねぇ。うちのお姫様は」


眠りこけたマリアを抱き上げて、車に乗り込むと


「出せ」


静かに車を発進させた。



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日本に着いたのは一時間前。

修に電話すれば、マリアが行方不明だと言う。

慌ててマリアの身に付けさせてあるGPSを調べれば、何故か修の家とは反対方向の海沿いに居るらしい。


───何故、こんな所に?


「みなとみらいの臨港パークへ急いでくれ!」


場所を特定した俺はそのままマリアの元へ向かった。

マリアは極度の方向音痴で、まず一人で目的地に無事辿り着いた事が無い。