Wonderful DaysⅠ





どうしたら泣き止んでくれるのか。

腕の中に閉じ込めている間、艶やかなハニーブラウンを見つめたまま、そのことばかりを考えていた。


肝心の、“ ここからマリアを連れ出す問題 ” そっちのけにして。


普段、沈着冷静と言われている俺からは想像もできないが、それだけマリアの泣き声に動揺していたのだ。

だって、女の慰め方なんて知らない。

今までそんな場面に出くわした事は……

一度だけ。


───あぁ、そうだ。


思い出した。

あのパーティーの時も、自分の発した言葉でマリアを泣かせてしまったことを。

そして、今と同じ行動をとっていたことも。


「……………………」


自分の成長の無さが、無性に腹立たしい。

そうは思っても対処の仕方がわからず、結局は小さな背中をさすって泣き止むのを待つことしかできなかった。


後から考えれば、この僅かな時間が彼女の頭の中を冷静にさせたのかもしれない。