問題は、どうやって此処からマリアを連れ出すか。
この建物の建っている場所と旅館の敷地の外までの通路を考えると、簡単には連れ出せないだろう。
それに、まだ問題は山積みだ。
仮に連れ出せたとしても、地球の裏側にいようが数時間後にはマリアの居場所を突き止めて必ず追いかけてくるであろう、あの二人。
下手すれば、今この瞬間にも乗り込んでくる可能性がある。
特に般若の形相でやってくることが予想できるマークさんを、どう説き伏せようかと考えていれば
「…………と」
俺を見上げたまま、何かを呟いたマリア。
「ん?」
気がつけば
「ありが、とっ……」
顔を歪めて堪えていた涙が、エメラルドグリーンの大きな瞳から止め処なく零れ落ちていた。


