今はスクールには通わず、住み込みの家庭教師がついているマリア。
その閉ざされた環境の中で、誰とも会話が成立しないという異常事態。
いつ聞いても「元気にやっている」というマークさんの言葉を信じていた俺も馬鹿だが、マリアがこんな状態になるまで気づかなかったなんて……
あの人達は、今まで何をやっていたんだ。
大事な妹なら、もっとしっかり見てろよ!
「……兄貴達は?」
マークさん達への隠し切れない怒りは、声にも表れていたようで。
「あ、の……兄さん達は寮に戻ってしまったから、今は一緒に住んでいないの」
腕の中で、小さな肩がびくりと揺れる。
「戻った……?」
こんな状態のマリアを置いて?
「二人とも全寮制の学校だから、仕方がないんだ。私のために、休んでもらうわけにはいかないもん」
「……………………」
悲しげに笑ったマリアが、消えてしまいそうに見えたから
「───じゃあ、このまま……」
思わず
「俺のところに来るか?」
そう口にしていた。


