「日本に帰りたい……」
しばらく抱きしめて、その存在を確かめていれば
「もう、イギリスにいたくないよ」
彼女が苦しげに呟いた。
「マリア……」
「お屋敷の人達と仲良くなろうと思ってどんなに話しかけてもね、皆…私を無視するの。まるで、そこに私だけがいないように会話を続けてて……」
そこで一度、言葉を区切ったマリアは
「一人だけ取り残された気がして、もう耐えられなくなっちゃった」
今まで胸の中に閉じ込めていた思いを吐露する。
その顔には、諦めの色が浮かんでいて。
もう、限界なのだと思った。
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