Wonderful DaysⅠ





「俺の名前は、ゆう「マリア!」」


……あぁ。

確かに俺、「ゆう」までしか言えてない。

まさか、名前を間違えて覚えられていたなんて。

今頃気づくなんてバカだろ、俺。


「俺は……」


咄嗟に本当の名前を伝えようと思ったが


「え……?」


彼女の顔を見て、やめた。

もし今、俺の本名を伝えてしまったら。

もし、彼女がそれを口にしてしまったら……

今夜ここに来たことが、絶対あの人にバレる。

だから。


「俺も、会いたかった」


ただ、ずっと。

心に押さえ込んでいた言葉だけを耳元で囁いて、マリアを腕の中に閉じ込めた。