Wonderful DaysⅠ



「あなたが来てくれて、本当に良かったわ」


現代的な造りの中に木の温もりを感じさせる廊下を、足早に通り過ぎていく。


「……それは、どういう意味ですか?」


明らかに切羽詰ったようなカウンセラーの言葉に、疑問を投げかければ


「彼女がここに来てからもう二ヶ月になるのに、一向に改善が見られないのよ」


「マリアは、そんなに酷い状態なんですか?」


「夜もなかなか眠れないみたいで、眠りについても直ぐに目を覚ましてしまうの」


「……………………」


俺が考えていたよりも、遥かに酷い状態らしいマリア。


「何を聞いても首を横に振るだけで、会話らしい会話もなくてね。でも……」


「でも?」


「一週間くらい前に、夜中に間を覚ました彼女が「ゆう君に会いたい」って言ったのを偶然聞いてしまったのよ」