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あれから、高良さんの案内で向かったのは、本館最奥にあった扉の前だった。
その扉を開けて外に出ると、そこにはラウンジから眺めていたものとは違う造りの日本庭園が広がっていて。
「ウィンザー様は、この先の離れにご滞在中だよ」
「…………そうなんですか」
高良さんが指を差した先には、平屋の建物がぽつりと建っていた。
あそこに、マリアが居る……
そう思えば、逸る気持ちから歩く速度も増していく。
足早に離れの玄関前まで来ると
「あ、魁君、ちょっと待って!」
いつの間にか追い越してしまっていた高良さんが、慌てて俺を呼び止める。
その声に振り返れば
「今、ウィンザー様はカウンセリングを受けてらっしゃるから、先生にお聞きしてからじゃないと、すぐに会えるかわからないんだ」
「カンセリング……」
「うん。だから、先生にお聞きしてくるから、少しここで待っててもらえるかな?」
「……わかりました」
すぐには会えそうにない返事が返ってきた。


