Wonderful DaysⅠ





座った席の目の前には、ライトアップされた見事な日本庭園が広がっていて。

大きな池では、たくさんの錦鯉が泳いでいる。


「……………………」


そのゆったりとした動きを眺めていたら、自然と体の力が抜けて、無意識に小さく息を吐いていた。

もしかしたら、追い返されるかもしれない。

そんなことをずっと考えながら、ここまで来た。

あの、マークさんのことだから。

誰かが尋ねて来たとしても、絶対にマリアには会わせるなと旅館側に伝えてあるに違いない。


もし、そうなった場合のことを考えていれば


「ウィンザー様に、ご面会の方というのは?」


後ろの方で、慌てたような男の声が聞こえてくる。


「あ、あちらにいらっしゃる結城様です」


「結城……?」


視線を移せば、女と話していた男が名前を呟きながらゆっくりとこっちに振り向いた。