「……………………」
今、自分がどんな顔をして答えているのか、この女に鏡を見せてやりたい。
あからさまな嘘に、俺の顔まで引き攣りそうになった。
「それはおかしいですね」
「えっ?」
「彼女が、こちらに滞在中だと連絡を受けて来たのですが……」
「え……」
鎌をかけてみると、案の定目を泳がせている女に
「いますよね?」
もう一度ダメ押ししてみれば
「あ、の……確認致しますので、あちらのお席で少々お待ちください!」
頭を下げて、足早にフロントへと戻って行く。
しばらく、そのまま様子を見ていたが……
長引きそうな雰囲気に、言われたとおりラウンジに用意された席で待つことにした。


