◇ 薄暗くなった足元で、ぱきりと小枝を踏んだ音が鳴る。 木々に囲まれたこの道に、街灯のような明かりは一切なく。 頼りになるのは、時たま通り過ぎていく車のライトと昇り始めた月の光だけ。 あれから 家に帰る時間も惜しくて。 学校の正門前でつかまえたタクシーに乗り込み、目的地に辿り着いたまでは良かったが…… 目の前の建物を見上げて ───本当に、此処にマリアが居るのか……? そんな疑問が脳裏を過ぎる。