Wonderful DaysⅠ



『お前からの返事なんて、聞かずとも分かりきっているが……』


「……………………」


じゃあ、聞くなよ!と、一瞬思ってしまったが


『一応聞いておかなければ、後々お前のご両親……というよりは母上と面倒なことになりそうだったからな』


「……そうですか」


マークさんの言葉を聞いて、納得する。

父さんはともかく、母さんはそういう事にやたらとうるさいから。

苦笑いを浮かべている俺の顔でも想像しているのか、電話の向こう側からは喉の奥で押し殺すような笑い声が聞こえてきた。

珍しく上機嫌らしいマークさんに、マリアの滞在先を聞くなら今しかないかもしれない。


『まぁ、お前の意思はこれで確認できた』


「はい。あの……」


そう思った俺は、彼の声に相槌を打って言葉の先を繋げようとしたのだが……


『以上だ。また、連絡する』


「え? ちょっ!!」


何かを察したのか、突如会話を終了させてプツリと電話を切ったマークさん。


「……………………」


あまりの早業に「ツーツー」という無機質な音を聞きながら、しばらく呆然と携帯を見つめる事しかできなかった。