Wonderful DaysⅠ



また一人で泣いているんじゃないだろうか、とか……

強引に婚約という形をとってしまったけれど、納得してくれているのだろうか、とか……。

マリア本人に確かめることができない分、気になって仕方がないことはたくさんある。


あのクリスマスイブに出会ってからは、もう一年以上が過ぎていて。

会えない苦しさを紛らわせるように、送られてきた本や資料の文字に目を通してはいるけれど、ふとした瞬間に頭を過ぎるのは、他の男を好きになってしまうんじゃないかという恐怖心。

マークさんとの約束は、俺にとって不利でしかなく。

不安定に重ねられた積み木の上で、必死に足掻いているような脆いものだ。



無理はしてない、なんて……

兄貴に聞かれて、なんでもないように答えたけれど


「───マリア……」


ひび割れたガラスを辛うじて繋ぎとめている状態の俺の精神は、今にも壊れかけていた───