─────そして、日本に帰国した俺を待っていたのは……


『なぁ、魁。一つ、賭けをしないか?』


「───いいですよ」


頻繁に掛かってくる、マークさんからの電話だった。


“またか”

そう思いつつも、これを断ればマリアとの婚約を破棄にされるだろうと安易に予測できるから、今日も彼との賭けに付き合う。

段々と扱いが分かってきたマークさんを相手にする賭けは、今のところ負け無しなのだが


『今回は─────』


「負けませんよ」


案外、苦労せずに勝ててるなんて事は絶対に言わない。













                       【完】