「じゃあ、結城魁君。行こうか」
「……はい」
有無を言わせぬ雰囲気の笑顔に、返事をした俺は大人しく彼の後について行く。
「後の処理は任せる」
「畏まりました」
軽く言葉を交わすマリアの兄貴とは対照的に、秘書の顔は引き攣り、青褪めていた。
一礼をして携帯を取り出すと、どこかに電話を掛けながら慌てて建物の中へと消えていった秘書。
彼の、この後の事を考えると同情してしまう。
───俺……この人と、うまくやっていけるのだろうか……
「……………………」
マーク・ウィンザーの後姿を見ながら考えてみたが、心の不安を取り除くことはできなかった。


